《生産者について》
マルティン・ヴァスマーはドイツ南部のバーデン地方の生産者。その中でも最南端のマルクフレーグラーラントに居を構えます。フランス国境、スイス国境まで車で数十分という位置で、東に黒い森シュヴァルツバルト、西にアルザスのヴォージュ山脈が見渡せます。
そこでアスパラやイチゴの農家を経営していたマルティン・ヴァスマーさん。自分のつくる野菜とともに飲むワインをつくりたいとブルゴーニュのアミオ・セルヴェルで研修。37歳の時にマルティン・ヴァスマー醸造所を設立しました。
娘のサブリナ・ヴァスマーさんはラインガウの名門シュロス・フォルラーツやアルザスのトリンバック、そしてブルゴーニュのメオ・カミュゼで研修したのちヴァスマーに戻ってきた才媛。次世代も楽しみです。
《このワインについて》
ブルゴーニュでいう「コート・ド・ニュイ」のような村のまとまりを、ドイツでは「ベライヒ」と呼びます。ドイツで最も南に位置する産地である「マルクグレーフラーラント」の名前を冠したワイン、つまり複数の畑からブレンドしてつくるのがこちら。
このベライヒには3100haの畑があり、そのほとんどは厚さ数メートルの黄土(レス)土壌が覆っています。急斜面の畑はあまりないため、栄養豊富で保水性のいい土壌なのです。そのためか出来上がるワインは、すくすくと育ったことが伺える陽気で明るい印象のものが多いです。
《テイスティングノート》
豊富な日照を得て育ったことが察せられる、明るくメリハリのあるベリー系のアロマ。樽熟成の香りも感じます。肉付きのいい果実味としなやかな口当たり。
夏が暑かったヴィンテージも手伝って、少しオレゴンのピノ・ノワールを思わせる味わいの厚みがあります。
Markgraflerland Spatburgunder Martin Wassmer