《生産者について》
日本でワインづくりが難しい理由の一つは雨の多さです。ブドウの生育期である春から秋にかけて継続的に雨が降ります。収穫期に到来しがちな台風も問題です。水分を多く含む土壌故にブドウの粒が大きくなり、風味の凝縮感が下がってしまうのです。
安心院葡萄酒工房があるのは大分県北部にある宇佐市。そこは瀬戸内気候のために雨が少なく、他の作物に向かないほど乾燥した地域だそうです。
1964年から国営の農地開発事業が始まり、安心院町のブドウが収穫できるようになった1971年に「アジムワイン」が誕生しました。かつては外国産原料も用いてワインをつくっていましたが、2006年には安心院町内のブドウのみに変更。大分県を代表するワイナリーとなりました。
《このワインについて》
ピノ・ノワールは人気の品種ではありますが、畑を選びます。一般的に日本の気候はこの品種には暑すぎるからこそ、北海道が注目されているのです。
その点で安心院ワインのこの完成度は驚き。きちんと着色した色の濃さ、やや果実味寄りながらきちんと上品な酸味をもったバランス感。決して品種に適した環境とは言えないだろうに、きちんと品種特性が現われているところに、安心院ワインの技術力の高さを感じます。
クランベリーやバラ、紅茶のようなアロマ。口に含めば豊かな果実感が広がり、穏やかながら上品な酸味が全体を上手にまとめています。部分的に全房発酵をしているからか、日本のピノ・ノワールとしてはやや強めのタンニンを感じます。
Ajimu Wine Pinot Noir