《アリカンテ・ブーシェについて》
アリカンテ・ブーシェは1866年に栽培されている記録が残っています。グルナッシュとプティ・ブーシェの交配品種で、スペインで使われる「ガルナッチャ・ティントレラ」という呼び名の方が有名でしょうか。20世紀半ばにはフランスで約2.5万haも栽培されていたメジャーな品種で、カリフォルニアやポルトガルなどでも広く見られます。近年栽培面積は減少傾向です。
最大の特徴は果肉が赤く熟すこと。普通は果皮が紫の黒ブドウも果肉の部分までは色づいていません。しかし中には果肉にまで色がつく品種があるのです。
果皮だけでなく果肉の色も抽出されるので、赤ワインの色合いは黒に近いような非常に濃いルビー色。吸い込まれるような深みを感じます。
温暖で乾燥した気候のもとじっくり栽培すれば、熟した果実味と高いアルコールによるパワフルさをもったワインがたくさんつくれます。
《このワインについて》
このワインには「マセラシオン・ア・ショー」という方法が部分的に用いられています。発酵中に熱を加えることで、色合いやアロマ、タンニンを効率的に抽出する手法です。
先述のブドウ品種の特徴とあわせて、手ごろな価格なのに非常に色合いも風味も濃いワインに仕上がっています。
赤や黒のベリー香にかすかなスミレの花のようなアロマ。樽熟成によるスモーキーな香ばしい余韻が複雑さを加えます。
Pay's d'Oc Alicante Bouschet Cepages Oublies No.5 Plaines Sauvages