《生産者について》
ゴッセはシャンパーニュ地方でも特に歴史あるメゾンの一つ。その特徴の一つは、徹底してマロラクティック発酵を行わないことです。
マロラクティック発酵はワインのアルコール発酵のあとに起こる、もしくは意図して起こす反応で、ワイン中のリンゴ酸を乳酸に変えます。酸度が下がって酸味がまろやかになり、風味に複雑さが加わります。冷涼な気候と糖度が低い状態で収穫することにより、シャンパンのベースとなるワインは鋭い酸味を持つことが多いです。なのでマロラクティック発酵は行う生産者の方が全体的には多いです。
ゴッセではそのシャープで生き生きとした酸味を大切にするため、マロラクティック発酵をブロックします。その代わりに風味豊かな質の高いブドウをつかい、長期間瓶内熟成させることで、その酸味とのバランスをとっています。その期間は平均して60か月以上だとか。
《このシャンパンについて》
特にピノ・ノワールの出来がよかったという2015年のヴィンテージ・シャンパン。2016年5月に瓶詰、2022年冬のデゴルジュマンですので、瓶内熟成はおよそ6年半。そこからさらに6か月瓶熟成して出荷されました。
ドサージュは4g/Lなのでかなり辛口寄りなのですが、特にピノ・ノワールのふくよかな風味がよくあらわれており、十分なボリューム感があります。
《公式テイスティングノート》
輝きのある麦わら色で良い熟成状態が解ります。きめ細かい泡は柔らかくワインにリスムを与えています。質の高い黒ブドウ的果実、フレッシュさは活き活きとしています。上品ですが官能的な味わい。ヌガーのようなパティストリーの風味があり、フレッシュなオレンジやミラベル、プラムのニュアンス。そして、デリケートな洋ナシも感じるでしょう。長い熟成を経たノン・マロラクティック・シャンパーニュのみが出せる味わい。今飲んで美味しい状態のシャンパーニュ。
Gosset Grand Millesime