《生産者について》
アルフレッド・グラシアンは主に購入したブドウからシャンパンをつくるNM(ネゴシアン・マニピュラン)です。しかしその味筋は、最近評価の高いRM(レコルタン・マニピュラン 自社畑のみからシャンパンをつくる)のような雰囲気を持ちます。
その大きな理由の一つが、全てのベースワインを樽で発酵させること。樽香をつけることを目的としていないので、シャブリの生産者から5年以上使った樽を購入し、メンテナンスしているといいます。発酵後に6か月間シュール・リーで熟成させますが、マロラクティック発酵はさせず、バトナージュも行いません。なので過剰なコクを感じることもなく、旨みのあるシャープな酸味をもったシャンパンが出来上がります。万人受けを狙ったありきたりの味じゃない。シャンパン好きも思わずうなります。
《このワインについて》
ワインをオーク樽熟成すると、木目を通してワインが蒸発していきます。誰も飲んでいないのにワインが減るので、それを「天使の取り分=エンジェル・パート」と呼んだそうです。その取り分の代わりに「天国から送られてくる楽園の味わい」。それがグラシアンのフラッグシップワインのコンセプトです。
実際にオーク樽熟成による酸化のニュアンスをしっかりと感じるワインで、ステンレスタンク熟成の多い大手メゾンの味わいとは一味違って感じます。
このワインの発売時、2015年ヴィンテージに関する情報は輸入元HPにもアルフレッド・グラシアン自身のHPにもアップされていません。シャンパーニュの2015年は全体として高評価で、2013年より上、2012年と並ぶという情報もあります。(2014年はリリースされなかったようです)
Alfred Gratien Cuvee Paradis Brut