《テイスティングノート》
熟した赤や黒のベリーと樽熟成由来の香り。果実味はしっとり滑らかで、落ち着いた雰囲気と深みがあります。コート・ドールのブルゴーニュワインに比べると穏やかで丸い酸味。3000円代半ばのピノ・ノワールとして十分な旨味感があります。
正直、同価格帯で他のピノ・ノワールと比べたときに突出した味わいはありません。もしシャトー・ド・ベル・アヴニールのワインが初めてなら、他のガメイやガマレから飲んでいただきたい。それで生産者に興味を持ったなら、ピノ・ノワールを飲むのはそのあとでいいと考えます。
ただこの味わいは苦手とする人が少ないであろうバランス。だからこのブルゴーニュワインとは思えないエチケットにビビっときたなら、ジャケ買いしちゃってください。口に合わなくて後悔することはありません。
《生産者について》
シャトー・ド・ベル・アヴニールは1850年代に設立された生産者であり歴史が長いのですが、ワインづくりの点では現在のオーナーが引き継いだ2019年のスタートと言っていいでしょう。エマニュエル・ベルトラン氏は「ワインはバランス、ピュアさ、複雑さ、ハーモニーが大切」という信念のもと、有機栽培を始めます。
現在ワインはVDFヴァン・ド・フランスというランクであることもあり、ブルゴーニュワインらしからぬ目を引く個性的なエチケット。とはいえ近々AOCに昇格予定です。
Chateau de Bel Avenir Pinot Noir