《バックヴィンテージの逆転現象》
10年ほど前からも一部のブルゴーニュワインの価格上昇は目立っていましたが、2020年あたりからはそれがほとんどすべての生産者に広がっています。ヴィンテージが進んで20~30%値上がりというのも珍しくありません。
それもあって「バックヴィンテージの方が安い」という逆転現象が発生しています。蔵出しの場合はそうでもないのですが、ワイン卸業者の倉庫で保管されていたものなどは5~10年前のワインの方が最新ヴィンテージより安い場合もあるのです。
生産者の特徴とヴィンテージの特徴から飲み頃を見極めることができれば、納得感のある価格で熟成ワインを楽しめます。
ただしこのようなワインは一期一会のため、完売の際はご了承ください。
《2014年の特徴》
2014年のブルゴーニュは、あまり当たりとも外れとも言われないヴィンテージです。霜や雹で大幅に収穫が減ったわけでもなく、猛暑に見舞われたのでもない。「グレートヴィンテージ」と言われることはほぼありませんが、酸味がやや高くクラシックな年だと。
こういう年は酸に守られて長持ちします。
一方で生産者の特徴は、やや早めに飲み頃が来るつくりだと感じています。畑の特徴としてはタンニンがしっかりあり熟成ポテンシャルの高いタイプ。総合して村名格のヴィンテージプラス9~10年というタイミングは、飲み頃の前半から中頃にさしかかったころではないでしょうか。
《生産者について》
グロ家がヴォーヌ・ロマネ村でワイナリーを開業したのは、1830年のことでした。今日では、直系6代目のミシェル・グロが、先祖から受け継いだ家業を発展させています。情熱家であると同時に、厳しさを持ち合わせるミシェル・グロは、ワイン造りに不断の手間を惜しみません。その謙虚で慎み深い人格は、上質で、エレガントで、常に安定感のある極上のワインに反映されています。
《この畑について》
「シャリオ」はニュイ・サン・ジョルジュの南側、谷間からの扇状地にある村名畑であり、扇状地独特の小石とともに、赤い色をした一種のシレックスやシリカが見られますワインはとてもミネラルが強く、ピュアな果実味とともにきれいな酸味。タンニンは力強く、長期の熟成に耐え得るタイプだといいます。
Nuits Saint Georges Les Chaliots Domaine Michel Gros