《生産者について》
アルベール・モロは1820年にまずネゴシアンとしてスタートし、徐々に畑を買い足していった生産者。1980年代にネゴシアンを辞め、現在は8haの畑を持つドメーヌです。
所有する畑は1か所サヴィニーを除いて全てボーヌ。しかも1級畑を7か所も所有しているスペシャリストです。
現在は新樽を抑えたスタイルに移行していますが、1998年だとしっかり使っているころでしょう。
《このワインについて》
7つも所有する1級畑のうち、有名なものの一つ。13世紀にこの地所を所有していた、Johannis Bressandの名前が由来とされています。
東向きの斜面で、赤っぽい土壌の中に砂が混じり水はけがいい畑です。熟したベリーの風味と豊富なタンニンが特徴と言われています。
《2022年9月の試飲》
8年近い熟成を経て、「ベリー」とか「バニラ」とかいうのではなく、混然一体となった「ブルゴーニュのピノ・ノワールのいい香り」。まるで「今飲んで」という声が聞こえるような引力を感じます。なめし皮やナツメグ、キノコの風味も感じる素晴らしい複雑さ。
タンニンはまだ少し粗削りで、すぐに飲むならエアレーションが必要でしょう。香りよりも口に含んだ時の風味の方に強く熟成感を感じ、余韻の複雑さが群を抜いています。
Beaune 1er Bressandes Albert Morot