《テイスティングノート》
猛暑と言われる2018年ですが、果実の熟しすぎた甘さは全く感じず、クラシックなボルドーらしい端正さ。カシスやブラックベリーの香りに引き締まった樽香を感じます。
このワインの魅力でありポムロールの魅力であるのは、上質なメルローが持つタンニンのしなやかさ。荒々しさが全くないきめ細やかなタンニンは、渋味が苦手な方ですら喜ばせそう!余韻も上品に長く続きます。
《このワインについて》
6000円前後という価格はポムロールのワインとしては普通かやや手頃な部類。ただし知名度が高いわけではありません。
熟成しているとは言えませんが、収穫から6年が経過し少し味わいが落ち着いてきたころ合い。開けてすぐに本領を発揮する一方で、これから5年以上をかけて美味しくなっていくことも期待できます。
メルロー主体のボルドーワインとして優等生的な味わいは、舌の肥えた昔からのワイン愛好家も満足させるはず。期待通りのスタイルで、値段に対する期待をほんのちょっと超えていく。
ソムリエからすると安心して提案し、サーブできます。利用者の年齢層が高めな高級フレンチでオンリストされてそうなイメージです。
《生産者について》
「La Patache」というのは区画名が由来となっており、もともとは「乗合馬車」という意味があるそうです。醸造所のある建物はもともと郵便局だったそうです。
現オーナーであるピーター・クォック氏が2012年にこのシャトーを購入してから改革を開始。醸造所を改築しワインメーカーを迎え、ミッシェル・ロラン氏にコンサルタントを依頼。評価を高めました。
畑は3.18haのみであり年産量は1万本程度と極少です。
Chateau La Patache