《生産者について》
ワインの流行は時代で移り変わります。
30年-20年前は、パーカーポイントの全盛期。濃厚で新樽の風味が効いた高アルコールのワインがもてはやされました。それと同時にヴァラエタルワインの時代であり、カベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワール、シャルドネといった有名品種ばかりがよく売れた時代だったと言えるでしょう。
有名品種が人気なのは今も変わりませんが、現代ではその需要は多様化しています。舌の肥えた人たちは、高品質であれば有名品種でなくてもいい、むしろ知らないスタイルのワインに出会いたい。多様性を楽しむ人が増えていると感じます。
2005年に「ポンセ」を設立したファン・アントニオ・ポンセ氏は、まさに多様性時代を象徴する存在でしょう。土着品種を大事にするスター醸造家テルモ・ロドリゲス氏のもとで2001-2006年に右腕として働き、実家の畑を継いで自身のワインを造り始めました。マイナー品種であった「ボバル」の地位を向上させ、幻の白ブドウ「アルビーリャ・デ・マンチュエラ」を復活させようとしています。
世界での流行は数年遅れて日本にやってくるもの。「誰も知らない美味しいワイン」にこそ価値を見出す方が、今後日本にも増えてくることでしょう。
《このワインについて》
スペインの手頃な価格帯というのは、パーカーポイントの時代にもてはやされた、濃厚でクリーミーなスタイルのものがまだ多いです。それをスペインワインの標準と考える方にとって、このワインはいい意味で予想を裏切られるかもしれません。
酸が高く荒々しい風味になりがちなボバル。ポンセではそれをマセラシオン・カルボニックすることで、フルーティーかつスムースな味わいに仕上げています。
スミレやラズベリー、クローヴ、ナツメグのような香り。アルコールは12.5%程度と低めであり、渋味はほとんどなくスムーズな口当たり。暑い季節でもスルっと喉を通る軽快な飲み心地です。
Ponce Clos Lojen