《生産者について》
ワインの流行は時代で移り変わります。
30年-20年前は、パーカーポイントの全盛期。濃厚で新樽の風味が効いた高アルコールのワインがもてはやされました。それと同時にヴァラエタルワインの時代であり、カベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワール、シャルドネといった有名品種ばかりがよく売れた時代だったと言えるでしょう。
有名品種が人気なのは今も変わりませんが、現代ではその需要は多様化しています。舌の肥えた人たちは、高品質であれば有名品種でなくてもいい、むしろ知らないスタイルのワインに出会いたい。多様性を楽しむ人が増えていると感じます。
2005年に「ポンセ」を設立したファン・アントニオ・ポンセ氏は、まさに多様性時代を象徴する存在でしょう。土着品種を大事にするスター醸造家テルモ・ロドリゲス氏のもとで2001-2006年に右腕として働き、実家の畑を継いで自身のワインを造り始めました。マイナー品種であった「ボバル」の地位を向上させ、幻の白ブドウ「アルビーリャ・デ・マンチュエラ」を復活させようとしています。
世界での流行は数年遅れて日本にやってくるもの。「誰も知らない美味しいワイン」にこそ価値を見出す方が、今後日本にも増えてくることでしょう。
【パーカーポイント98点】
[ワインアドヴォケイト 2026年2月]
2024年産の「ラ・エストレチャ」は、繊細さ、フローラルな香りと複雑さを生み出す傾向のある区画から生まれました。花崗岩質の土壌にある古いボバル(Bobal)のブドウ畑で、約10%他の品種が混ざっています。アルコール度数は12.2%(ラベル記載は12.5%)、pHは3.5、酸度は5.7グラムです。最初は少し控えめですが、ニュアンスとディテールがあり、その後、魅惑的で重厚な味わいに変化していきます。価格に関わらず、ここは私のお気に入りのワインの一つです。ここでは、品種ブレンドとおそらく土壌の特性が相まって、非常にエレガントで複雑、かつ完成度の高いワインに仕上がっており、極めて繊細なチョークのようなタンニンが特徴で、ピノのワインほど渋みが強くありません。これは2024年ヴィンテージのハイライトとなる可能性が十分にあります。
[Luis Gutierrezによる試飲 飲み頃予想2026 - 2036年]
Ponce La Estrecha