《このワインについて》
ポルトガルワインを選んで買うのが難しい理由として、「品種で選べない」ことが挙げられます。
まずポルトガルは土着品種の国であるゆえに、名前が通って特徴が知られた品種が少ない。さらに赤白ともに様々な品種をブレンドするのが基本。ブドウ品種から「だいたいこんな味だろう」という推測ができないのです。
見方を変えれば、それは生産者がつくりたいワインを目指して手を尽くしているということ。なのでヨーロッパでは南方に位置しながら、アルコールが高すぎない上品でさわやかなワインをつくることも可能。このワインはまさにそういうタイプです。
カシスやブルーベリーなどの洗練されたアロマにほのかなスパイス感。馴染みのない品種が多いでしょうが、いい意味でそれらしい香りはありません。果実味の凝縮度は適度にあるものの、きちんと酸味が支えているので、もったりとした印象は皆無。余韻も適度につづきます。「複雑さや高級感はない」ということ以外は悪いところを見つけられない、コンパクトにまとまった味わい。
それでこの価格なのですから、一度飲んだら我が家の定番ワイン候補です。
《生産者について》
マテウス&セケイラ・ヴィーニョスは1997年設立と比較的若いワイナリー。しかし自動車販売や農業機器レンタルで築いた財政基盤をもとに急成長。600haの自社畑と59haのオリーブ畑を所有する、大規模ワイナリーです。
年間700万本も生産しているのに、収穫は全て手摘み。それは畑の多くが「パタマレ」と呼ばれる段々畑であり、機械作業ができないからです。それでこの低価格で楽しめることに驚きを隠せません。その中でもこの「カダン・ドウロ」ブランドは、フラッグシップに位置付けられます。
Cadao Douro Tinto