《生産者について》
本拠地はロワール地方の銘醸地「プイィ・フュメ」。そこにソーヴィニヨン・ブランの生産者としておそらく最も高い評価を受け、最も高くワインが取引される生産者がいます。それが「ドメーヌ・ディディエ・ダグノー」です。その価格は1.5万-3万円前後。それほど熱烈なファンが世界中にいるのです。
ディディエ氏自身は2008年の飛行機事故で早逝してしまいました。よって手掛けたヴィンテージは2007年まで。以降は息子のルイ・ベンジャマン氏が引き継いでいます。しっかりと畑と栽培・醸造方法、なにより哲学を受け継いでいるようで、「代が変わって味が落ちた」という噂は全く聞きません。
全てのワインで醸造法を固定。発酵は培養酵母にて行い、新樽・1-3年樽をそれぞれ25%ずつ使用して樽発酵。12か月の熟成の後にステンレスタンクでブレンドし、さらに8か月熟成するというものです。造り方の違いを無くすことで、テロワールの違いを感じ取れるようにしています。
2017年VTよりプイィ・フュメの原産地呼称を放棄。あえてヴァン・ド・フランスとしてリリースしています。
《このワインについて》
2021年はフランス全土で災害級の霜害(そうがい)が発生した年。ダグノーの畑でも収穫量の減少が深刻で、例年の75%減という悲惨な結果。いつも通りの醸造法を行う量が確保できないキュヴェがありました。そこで全てのブドウを1つにまとめて醸造したのがこちらのワインです。
過去にも1度つくったことはあったそうですが、ワインのプロやワイン通でも目にしたことがないようなレアワインであることは間違いありません。まさに一期一会のワインと言えます。
XXI Didier Dagueneau