《生産者について》
カステッロ・ディ・アマはキアンティ・クラシコの名門。1972年スタートですからとりわけ歴史が長いというわけではありませんが、そのブランドは多くの愛好家に支持されています。それほど手頃でもない価格なく、ある程度の生産量があるため「希少価値が高い」というわけでもありません。にもかかわらず売れ続けているというのは、確かな品質とそれを裏切らない信頼感の現れです。
現在のオーナー兼醸造家であるマルコ・パランティ氏は、長年キャンティ・クラシコ協会の会長を務めるほど周りの信頼を得ている人物です。彼は1980年代からブルゴーニュ的な「クリュ」ごとの収穫・醸造と、通常の50%まで絞る収量制限で品質を向上させてきました。
フラッグシップワインは「サン・ロレンツォ キャンティ・クラシコ グラン・セレツィオーネ」。その2010年ヴィンテージがワインスペクテーター誌の年間2014年のTOP100において第6位に選ばれ話題となりました。
《このワインについて》
フラッグシップワインに使うブドウは、アマが所有する65haの畑から樹齢の高い本当にいい区画もののみを使います。しかしその高樹齢のブドウも、定期的に植え替えが必要です。品質では劣る若い樹の区画からつくられるのがこの「キャンティ・クラシコ・アマ」です。
上級ワインほどの風味の深みや熟成ポテンシャルはありません。その分若いものでも楽しみやすく、フレッシュで爽やかなスタイルです。わざわざワインの名前に「AMA」とつけているのは、数あるラインナップの中でも特に思い入れのあるワインということではないでしょうか。
《テイスティングノート》
チェリーやラズベリー、カシスのようなベリー系フルーツの香りに、コーヒーのような香ばしさ、そしてわずかに土のニュアンスが加わります。密度のある果実味とともにシルキーながら十分な量のタンニンと、イキイキとした酸が全体を支えています。質実剛健な上品さを備えたワインです。
Chianti Classico Ama Castello Di Ama