《生産者について》
プルノットはピエモンテで100年以上続くワイナリー。
もともとは1923年、経営に苦しんでいた協同組合をアルフレッド・プルノット氏が買い取ったところからスタートしました。醸造と経営の両面に長けた彼の活躍で、名門生産者のひとつとして地位を築いていきました。
その功績の一つはピエモンテに「クリュ」の概念を持ち込んだこと。当時は様々な畑のブドウをブレンドしてワインをつくるのが当たり前。そこでブルゴーニュに倣った「畑が違えばワインの風味が違う」ということを実際に表現してみせたのです。
アルフレッド氏の勇退にともなってアンティノリがワイナリーのオーナーとなり、現在に至るまでモダンでスタイリッシュなバローロ、バルバレスコなどをつくりつづけています。
《このワインについて》
近年ピエモンテでは、以前よりバルベラを大事にする動きが出てきています。
もともとは丘陵地帯にある畑の日当たりのいい位置にネッビオーロを植え、イマイチな区画にバルベラやドルチェットを植えるのが一般的でした。しかし酸味が高く熟しにくいバルベラは、条件のいい畑で丁寧に収量を減らさないと、なかなか上質なワインになりません。
ところが温暖化が進んだことで、ブドウの完熟にかんしてはあまり困らなくなってきちるのでしょう。その上品な酸味とバランスをとる、しなやかなボディを持つ上質なバルベラが各社からリリースされています。この「ピアン・ロムアルド」の区画もまさにそう。十分主役を張れるワインであることが分かります。
《テイスティングノート》
プラムやプルーンなどの黒系フルーツのアロマに、スパイスやハムを思わせるニュアンス。ジューシーな果実感と柔らかいタンニンがこの品種としては親しみやすく、調和した酸味が上手に全体を支えています。まだまだ熟成できそうな雰囲気すらあります。
Prunotto Barbera d’Alba Pian Romualdo