《生産者について》
楠わいなりーがあるのは長野県の須坂市。日滝原(ひたきはら)という扇状地に畑があることで水はけがよく、それが健全なブドウ栽培を助けています。
ここはブドウの生育期間における積算温度がボルドー地方と近く、ブドウが十分に熟すことが出来る暖かさがあります。温度はあっても日照時間は短いため、それを補うべく「スマートダイソン」という仕立て方を採用しています。土壌の生物多様性を守り、菌の力も借りてブドウの樹に栄養を集中させるべく、「不耕起」(土の表面を掘り起こさないこと)を採用。除草剤や合成肥料は原則使わない、ながら「有機栽培」をうたうつもりはないそうで、科学的な根拠と経験にもとづいて真剣にブドウ畑に取り組まれていることが伝わってきます。
《このワインについて》
色合いが非常に薄いです。そのうえ縁のあたりはオレンジやレンガ色っぽいような、まだ若いワインとしては少し心配になるような色合いです。しかし香りを嗅いで飲めばその懸念は払しょくされます。ちゃんとピノの香り、ピノの味。この色あいはちゃんと意味のあるもので、この色でないとピノ・ノワールらしい味わいが出てこないのだとか。
甘く熟したベリー系フルーツのアロマに、ほのかに土やきのこのようなニュアンス。アルザス産のピノ・ノワールのような、じわっと広がる旨味感を軽い口当たりの中に持っています。
日本ワインのピノ・ノワールは高価なものが多い中、この価格なら冒険として手を出しやすいでしょう。
Kusunoki Winery Pinot Noir