《テイスティングノート》
カシスやブラックベリーのような黒系フルーツに、ほのかに甘いヴァニラ香。チョコレートのような甘く香ばしい香りもあります。味わいにほどよく厚みがあり、樽熟成の効果を感じる滑らかな質感。もちろん酸味はあるのですが、果実味の強さゆえに目立っては感じません。
「ブドウ栽培の北限にある冷涼産地」というドイツのイメージは、今やあまりそぐわなくなってきました。「ドイツのピノ・ノワールだから薄くて酸っぱい」なんてのは大きな誤解。その上でも、森の下草のようなあか抜けない香りがこのワインにはなく、もっと洗練されたイメージ。カリフォルニアのモントレーや、オーストラリアのヤラ・ヴァレーのようなバランスに感じます。
「ドイツらしいピノ・ノワール」に比べるとより飲み手を選ばない、多くの人に好まれそうな味に仕上がっています。
《生産者について》
フォン・ウィニングが居を構えるファルツ。ドイツで2番目に広く畑があり、そして一番多くリースリングを栽培している産地です。
ただし最高品質ではありません。ラインガウやモーゼルのような南向きの急斜面に広がるスレート土壌の畑というものはファルツにはなく、石灰質や砂岩、玄武岩などの土壌。
質より量のワインも多く作られてはいますが、このフォン・ウィニング醸造所の品質追及は別格です。
Pinot Noir Royale Von Winning