《生産者について》
ブラック・エステートがあるのはニュージーランドのノース・カンタベリー内ワイパラ・ヴァレー。マールボロから南に100kmほどいった海側にあります。1994年に前オーナーであるラッセル・ブラック氏が植樹を開始。それをロッド・ナッシュ氏とその家族が2007年に買い取りました。娘婿のニコラス・ブラウン氏がワインメーカーを務めています。
現在は畑を買い足して、合計24haの自社畑を持ちます。
この地域の年間降水量は600mmと少な目。灌漑(かんがい)が必要かどうかのきわどい量ではありますが、石灰質の土壌ゆえに無灌漑での栽培が可能です。石灰質の母岩はスポンジのような役割を果たし、雨が降れば素早く水がはけるのですが、水分をしっかり保持することで乾燥にも強いのです。
その乾燥した気候ゆえ有機栽培に適しており、2017年にはすべての畑がBio Groというオーストラリアの有機認証をとりました。現在はデメター認証を取得中だといいます。
冷涼な気候に適したピノ・ノワールやシャルドネをはじめ、リースリングやカベルネ・フラン、シュナン・ブランなど多様な品種を栽培しています。ワインになるべく余計なものを加えたくないとの考えから、添加物を使わず、熟成に使うオークも古樽のみ。畑の酵母を培養してスターターとすることで、添加酵母を使わずに安定した醸造を行っています。
《このワインについて》
オーガニック認証をうけた3つの自社畑からつくる、ブラック・エステートの中ではスタンダードクラスに位置するピノ・ノワール。ラズベリーなどの赤いベリーの香りに、ルバーブのようなハーブ、ナツメグやシナモンのようなスパイスが香る複雑なアロマ。果実味は適度な熟度で軽やかであり、生き生きとした酸味を持ちます。上品系なピノ・ノワール好きも満足でしょう。
Treble Pinot Noir Black Estate