《適度な酸で翌日以降も美味しい!》
オーストラリアのシラーズとして、2000円台の濃厚で美味しいワインはたくさんあります。そのなかで力強さの中にやや高めの酸味を持つのがこのワインの特徴です。
酸が高いと抜栓後も味わいがキープされやすいです。それは亜硫酸がよく働くという点でもそうですし、味わいの印象の面でもメリットがあります。
酸が低く甘濃いワインは、開けたその日はいいバランスだとしても、翌日以降は甘い印象が強くなることがあります。最初は適度にあった渋味が全体を引き締めていたのが、酸素に触れて感じなくなるケースです。
ともかく渋味が苦手で甘濃いのがお好きな方はそれもいいでしょう。でもバランス感に優れる上品な味わいがお好きな方には、「昨日飲み切っておけばよかった」となるかも。
3~4日かけて飲んでもあまり最初と印象が変わらない。だから1人暮らしなどでちょっとずつ飲みたい方の晩酌用ワインとしておすすめできます。
《テイスティングノート》
プラムやブラックベリーなどの熟度が高いフルーツのアロマに、ブラックペッパーやリコリスなどのスパイス感。この価格としては複雑味があります。口の中でも同様の果実味をしっかりと感じ、アルコールのボリューム感がありながらも酸味は適度にあるのでバランス感が絶妙です。「酸がある」といっても果実感が強いので、酸っぱいという印象はまずありません。余韻の長さにダーレンベルグのブドウ品質の高さが現れています。
《生産者について》
オーストラリアのマクラーレン・ヴェイルに100年以上の歴史を持つダーレンベルク。当初は赤ワインと酒精強化ワインの生産・輸出によって拡大し、今では本拠地マクラーレン・ヴェイルだけで72ha、さらにアデレード・ヒルズにも自社畑を所有する規模に成長しました。
オーストラリアワインの知名度向上に貢献したとして「ファースト・ファミリーズ・ワイン」に2009年認定されました。
ワイナリーの建物が美術館かと見間違うような前衛的な建物であることも特徴のひとつ。ぜひ一度Googleマップなどからご覧ください。
d'Arenberg Footbolt Shiraz