《生産者について》
シャンパーニュ地方は伝統的に、栽培と醸造の分業体制が基本です。自社畑からシャンパンをつくる生産者形態「レコルタン・マニピュラン = RM」は、最近になって増えてきたもの。
その中でジョアネス・リオテは1929年に瓶詰を開始した非常に長い歴史を持つRMです。
そのメリットは何があるかというと、一つはヴァン・ド・レゼルヴ率の高さ。NV(ノンヴィンテージ、複数ヴィンテージのブレンド)でつくるシャンパンには、前のヴィンテージ以前から保管していたワイン、ヴァン・ド・レゼルヴを40%以上ブレンドします。これはRMとしては高い値です。
収穫したブドウの一部をシャンパンにせず、ベースワインの状態で保管するのですから、資金回転率が悪くなります。歴史が長いからこそリザーヴワインの使用に余裕があるのでしょう。
高いヴァン・ド・レゼルヴの比率により、ヴィンテージの特徴に寄らない味わいの安定感、それからマルチヴィンテージによる風味の複雑さが生まれます。
国内消費が90%と高く、地元に愛されてきたシャンパンです。国外で飲めるのは非常にレアです。
《テイスティングノート》
ムニエを主体としているゆえに、黄桃を思わせるような果実の香りに密度があります。オレンジやアプリコット、黒糖のようなニュアンスも感じます。口に含めば生き生きとしたフレッシュな酸味に続き、フルーツの質感が広がり、それが余韻へと続いていきます。
Brut Reserve Joannes Liote et Fils