《生産者について》
ドメーヌ・コルニュ・カミュはペルナン・ヴェルジュレス村から北西に少し離れたところにあるエシュヴロンという村が本拠地。
昔から家族経営でブドウ栽培を行ってきました。ピエール・コルニュと妻ベルネデットの代からワインづくりを開始。2008年からは娘のリディアがマネージャーとして指揮をとります。
ワインの傾向としては非常にクラシック。品種やその土地の味を素直に表現しており、伝統に忠実でありながら安定した味わいです。「凝縮感がすごい」「研ぎ澄まされた酸味」といった言葉にしやすい特徴は持ちません。それでいてほんのちょっとだけ価格が安い印象だったのですが、ここ2年ほどは値上げの波に取り残されているよう。割安感が高まっています。
《このワインについて》
コルニュ・カミュが2007年に取得して、2008年からつくっている1級畑。平均樹齢は35年ほど。
凝縮された果実味にきめ細やかなワイン、骨組みのしっかりした味わいが例年の特徴だそうですが、2021年については肉付きの良さは弱いでしょう。
ブルゴーニュワインの高騰はみなさまもご存知のとおり。人気の村だと村名格ですら1万円をどんどん超えていってしまいます。その中でボーヌの1級が6000円台というのは、かなり割安です。
《2021年ヴィンテージについて》
4月の大霜害でいきなり収量の大幅減少が確定してしまった2021年ヴィンテージ。その後も病害や雹の被害もあり、雨も多かったそうです。一般的には悪い条件のそろったヴィンテージです。
一つ明るい要素としては酸が保たれました。
近年だと2015、2016、2018、2019、2020、そしておそらく2022年も温暖なヴィンテージ。果実味はしっかり感じますが、アルコール度数が高くぽってりとした味わいになりがちです。
「ブルゴーニュらしい上品さが、最近は感じられない」と嘆く、昔からのワイン好きもいらっしゃるでしょう。そういう方にこそ飲んでいただきたい。
難しいヴィンテージの中に輝く、美しい酸味と抑制された味わいが感じられます。
おそらくは長く熟成する年ではないでしょう。すぐに飲んでしまうべきワインだと感じます。
Beaune 1er Clos du Roi Cornu Camus