《生産者について》
ベルンハルト・フーバー醸造所は、ドイツの南部、バーデン地方のマルターディンゲン村に居を構えています。その地がかつてピノ・ノワールの名産地であったことを知った故ベルンハルト・フーバー氏は、1987年に醸造所を立ち上げ、2011年にはゴーミヨ氏で赤ワイン賞3冠に輝きました。現在は息子のユリアン・フーバー氏がその意思をついで、より透明感あふれるワインづくりをしています。
《ユリアンの代で変わったこと》
やや分厚いボディを持ったベルンハルトさんの作品と比べて、ユリアンはよりエレガントに仕上げます。
収穫を2週間ほど早めることでアルコール度数をやや抑えめにし、果汁を絞るプレスもあえて旧式のものに変えました。それは醸造時にオリが1.5倍ほど出るのが特徴で、そのオリとともに12か月の樽熟成を行います。
《このワインについて》
つい3年ほど前までは「1年のうちで欠品している時期もある」というくらいのワインだったのですが、2020年ヴィンテージは完全割り当て。希望した本数は入荷しませんでした。
一つには生産量が減っていていること。日本への入荷数で前年の2/3です。さらにフーバーの美味しさに気づいてしまった人が続々と増えていること。争奪戦が激化しているのです。
《テイスティングノート》
還元的で引き締まった香りの中に、レモンやリンゴ、白や黄色の花束、ジャスミンなどのアロマが潜んでおり、その香りの複雑さにクラクラしそうです。瑞々しい酸味を持ち口当たりは緻密で滑らか。凝縮度はそれほど高くなく、余韻の長さはやはりグラン・クリュクラスとは違うものの、ワールドクラスのシャルドネであることに疑いようはありません。
フーバーのシャルドネは開けたてが還元している場合が多いです。2日目以降に実力を発揮すると考えてください。
Malterdinger Chardonnay Alte Reben Bernhard Huber