《生産者について》
「こんなワインをつくりたいから、ここのブドウをこのように醸造する」
キャサリン・マーシャルのワインづくりはそのような明確な目的意識があります。しかし決して工業的なニュアンスのある味わいではなく、ワインはクリアな味わいながら手を加えすぎないもの。
ワイナリーはステレンボッシュにあるものの、ブドウの購入先は主に冷涼なエルギン地区であり、酸やミネラル感を大事にする上品な味筋です。
《このワインについて》
エルギン地区のメルローとカベルネ・フランのブレンド。
彼女の亡き夫は、サン・テミリオンのシャトー・アンジェリュスで働いていたこともあり、夫の名前をつけたこのワインはアンジェリュスをいくらか意識しているのではないでしょうか。
このワインに使うメルローは、赤い果実の風味が強いフレンチクローンと、タンニン豊富で大きなスケールのワインになるイタリアンクローンを併用しているといいます。
プラムや黒系果実のフルーツ香に、スミレや鉛筆の芯のようなニュアンス。繊細で複雑なアロマです。エルギンの冷涼さを思わせる引き締まった味わいで、細やかでしなやかなタンニン。美しい余韻を持ちます。
Catherine Marshall Peter's Vision