《チリワインの弱点》
安くておいしいがチリワインの魅力。1000円以下の価格帯では、対抗できる国はわずかしかありません。イタリアやスペインも手ごろなものが多いですが、チリは「カベルネ・ソーヴィニヨン」「シャルドネ」といった有名品種を単一でつくっているため、選びやすさがあります。
ただし弱点と言えるのが、どこでも売っている点。1000円以下で入手できる銘柄となると、大規模な生産者がつくるワインを大手の輸入会社が大量に仕入れたものがほとんど。ワインショップのみならず、スーパーや量販店などに広く出荷されるので、多くの人の目に触れます。
だから「あ!このワイン、見たことある!手ごろなものだよね」というのが分かってしまいがちです。特にレストランでは価格が分かりすぎるのは避けたいところですよね。
その点この「テラベガ」は、どこでも見かけるワインかというと、そこまでではありません。だからでしょうか。当店では飲食店さんへの卸し販売でも長く使っていただいています。
《生産者について》
「テラベガ」のブランドを展開するのは、ルイス・フェリペ・エドワーズ社。チリにて家族経営のワイナリーとしては最大規模です。1976年、ヨーロッパから渡ってきたエドワーズ夫妻が、コルチャグア・ヴァレーに60haの畑とワイナリーを取得したのが始まりでした。90年代に自社ブランドのワインの販売を開始。様々な産地に畑を買い足し、生産規模を拡大していきます。現在同社のワインは世界100か国以上に出荷されています。この生産規模によるスケールメリットが、テラベガが安くて美味しい理由です。
《テイスティングノート》
プラムやカシスなどのベリー系フルーツの香りがピュアに漂います。チリのカベルネらしい土っぽさもほのかに感じます。ボディ感や力強さを期待しすぎてはいけませんが、1000円以下のワインとしては十分優秀といえるでしょう。
Terra Vega Carbernet Sauvignon