《セイボリーとは》
「Savoury」というワイン表現について、ある専門家は「日本語に訳せない」と語ります。
意味合いとしては果実味や樽香の甘いニュアンスが控えめで、食事にあわせやすそうなバランス感であること。それでいて風味が薄かったり、味わいが頼りないわけではありません。カリフォルニアにありがちな、甘味を感じるようなワインと対局な風味を表すものです。
「ヨーロッパの伝統のワインっぽい」という意味合いの「クラシック」ともまた違うようです。解釈にやや幅のある表現ではありません。
日照に恵まれて熟した果実味を持ちがちなナパ・ヴァレーにあって、この「フェニックス」は見事に「セイボリー」。フルーツ感先行では決してなく、控えめながら複雑さと存在感を持つワインです。
《このワインについて》
ファーストヴィンテージは2016年。そのワインがまだオーク樽で熟成中の2017年のこと。ハドソンの畑が山火事の被害を受けたそうです。畑の一部は燃えてしまったものの、このワインは奇跡的に無事だったそうです。「灰のなかから飛び立つ不死鳥のようなワインであってほしい」その願いでこの名前をつけてリリースしたそうです。
《生産者について》
ハドソン・ワインズはもともとはナパでも特に優良とされるブドウ栽培家。大学を卒業したロバート・リー・ハドソンは、1981年にナパの南端カーネロスの地に900haの農地を取得。そのうち80haでブドウを栽培しています。
取引するワイナリーとはすべて長期契約。栽培に関してあらゆる要望に応えて最高品質のブドウを提供しているといいます。選定方法や収穫量、収穫日などを相談しながら顧客の要望に応えるのです。
現在30社ほど契約していますが、ラベルに「ハドソン・ヴィンヤード」を記載できるのはキスラーやオーベール、レイミーなどの9社のみの選ばれたとこだけだそうです。
Hudson Wines Phoenix Red Wine Napa Valley