《テイスティングノート》
トロピカルフルーツやリンゴ、ヴァニラ、ハチミツのような濃密なアロマ。マールボロのものが持つ青草やグレープフルーツの香りはほぼ感じず、同じソーヴィニヨン・ブランといっても全く別物です。味わいは素晴らしくリッチで豊満。バリック新樽熟成のボリューム感が存分に発揮されています。この価格帯でリッチなのにきちんと酸があるのはシャルドネとの違いでしょう。
イメージとしてはボルドー・ブランというよりカリフォルニア。といてもカリフォルア産で3000円程度ではリッチ系のものはほとんどありませんから、5000円クラスのスタイルです。
一口目から存在感があり、料理がなくても十分な満足感。ゆえに時間をかけての食前酒としていかがでしょうか。休日の昼下がりに友人とおしゃべりを楽しみながらワインだけを楽しむ。そんな時間に適しているでしょう。
《生産者について》
ボデガ・イヌリエータはスペイン北東部のナバラにあるワイナリー。オーナーのアントニャーナ家がこのワイナリーを設立したのは2002年とごく最近。しかし家系としては1940年代からブドウ栽培をしていたといいます。スーパーマーケットビジネスで成功したのちにそれを売り払ってワイン造りに専念。その経歴ゆえに「消費者が求める味・求める値段」というのをよくわかっているのでしょう。
設立してそう長くないにも関わらず、ブドウ畑は全体で265haもあります。しかも全て醸造設備の周りに広がっているので、畑の管理が容易で収穫したブドウをすぐ運び込めると言います。
ワイナリー名の「イヌリエータ」は、バスク語で「蟻のいる場所」という意味。先祖が情熱を持ってブドウを育ててきたことへの賛辞だといいます。
イヌリエータが目指すのは「誰にでも愛されるワインを手ごろな価格で」提供すること。国や文化を問わず誰にでも愛される親しみやすいワイン、Easy Drinkingなワインをつくるべく、毎年品種やブレンド比率を工夫しています。
Orchidea Cuvee Bodega Inurrieta