《ゼクトキング》
スパークリングワインはドイツでゼクトと呼びます。様々なワイン評価誌にてゼクトの最高評価ととり続け、「ゼクトの帝王」と呼ばれるようになったラウムラント。
ラインヘッセンのフレアハイム=ダルスハイム村に1984年に設立された、ゼクト専門の醸造所です。その腕前には多くの生産者が信頼をよせ、ファルツのフリードリッヒ・ベッカーもブドウを預けてゼクトの製造を任せています。
当主フォルカーさんがガゼンハイム大学に在学中、学内のコンテストにてミュラートゥルガウ種でつくるゼクトで優勝しました。それがきっかけでゼクトの可能性に注目することとなり、その道を歩むことを決めたと言います。
その品質が認められ、VDP(ドイツ高級ワイン生産者連盟)において初のゼクト専門生産者として加入が認められました。ヴィンテージが進めば鷲のマークが描かれることとなります。
《このワインについて》
決して手ごろとは言えないこのワインですが、ラウムラントにとっては3段階あるラインナップの中でベーシックな「Tradition」シリーズ。最低36か月の瓶内熟成を経て出荷されます。
ラウムラントのゼクトはドサージュ量がほぼすべて6g/L以下。エクストラ・ブリュット表記もできる極辛口です。「36か月」などの数字にこだわらず必要な熟成を経て出荷しているので、ゼクトは届いた時が飲み頃。これ以上は熟成させずに飲んでほしいというのが生産者の想いです。
このキュヴェは長女であるマリー・ルイーゼさんの名を冠しており、創業当初から作り続けているラウムラントを代表するゼクトです。
《テイスティングノート》
キリっと引き締まった中に感じる、繊細でありながら複雑な香り。シャンパンのようなイースト由来の熟成香は控えめで、白桃や白い花などの上品な香りです。フレッシュで鮮烈な酸味と細かい泡が凛としたイメージを与え、硬質なミネラル感をともなって余韻が長く続きます。
決してシャンパンの後追いではない、確立した哲学に基づく『ゼクト』の味わいがあります。
Raumland Cuvee Marie Luise Sekt Brut