《生産者について》
エトナの名門ワイナリー「テッレ・ネーレ」は、ワイン商であったマルク・デ・グラツィア氏が設立したワイナリー。彼はエトナの標高がもたらす昼夜の寒暖差と古樹の比率の高さ、そしてブルゴーニュのように複雑に入り組んだテロワールにほれ込んでこのワイナリーを立ち上げたといいます。
ワイナリー名の「テッレ・ネーレ」は「黒い大地」を意味します。火山に由来する土壌は狭い範囲で様々に変化します。上級ワインは単一畑からその特徴を表現しています。
《このワインについて》
北半球なら南、南半球なら北にいくほど、つまり緯度が低くなるほど一般に温暖な気候になります。その環境ではアルコール度数が高くて熟したフルーツの風味を持つボリューミーなワインがつくられる傾向です。しかしイタリア最南端のシチリア島では、その一般論があまり通じません。
一つは海の恵みがすぐそばにあるゆえに、ワインもそれにあわせた爽やかなものが求められてきたのが理由でしょう。加えてエトナ山周辺の産地においては、標高の高さがワインの味わいを上品なものにしています。
このワインも2023VTのアルコール度数は12.5%と標準的なもの。ボリューミーで濃いイメージはありません。
《テイスティングノート》
様々な柑橘類フルーツのフレッシュな香りに、花のような爽やかなアロマ。みずみずしくデリケートな口当たりで、スルスルっと喉を通る心地よさと、キュっと引き締める酸味があります。
Etna Bianco Terre Nere