《このワインの製法》
このワインはオーク樽バリックで発酵させてステンレスタンクで熟成させます。
普通白ワインはステンレスタンク発酵・熟成が多くて、オーク樽発酵・熟成する場合もよくあります。ステンレスタンク発酵・オーク樽熟成はしっかり樽香をつけたいときに有効です。でもその逆は他に聞いたことがありません。
オーク樽熟成を通してワインは緩やかに酸化するので、口当たりはなめらかに重たくなり、フレッシュな風味は失われて複雑さを獲得します。生産者のジュゼッペは、樽の複雑な風味は欲しいが、フレッシュ感も欲しいと考えました。それで開発したのがこの製法。おそらくはある程度新樽も使っているのでしょう。短い期間オーク樽で発酵させて、熟成はステンレスタンクで行います。この変わった醸造が、不思議なアロマをつくりだしています。
《テイスティングノート》
ヴァニラのような甘い香りとフレッシュなパイナップルのアロマをベースに、バナナやカモミール、グレープフルーツなどのあまり共存することのないアロマを感じます。口に含めばフレッシュな酸味を感じ、樽熟成したなめらかさではありません。
これ1本でも変わった風味が面白い。同じ生産者がつくるステンレスタンク発酵・熟成のグレケット&ソーヴィニヨン・ブランと飲み比べるとより楽しいでしょう。
《グレケットについて》
チェザリーニ・サルトーリはウンブリア州の生産者。全く違った職についていたジュゼッペとフィオリオ夫妻が、様々なワイナリーを訪れてワインづくりを学び設立しました。
化学薬品を使うことを避けたブドウ栽培とシンプルな醸造を目指しています。
サンジョヴェーゼやメルロー、カベルネ・ソーヴィニヨンにサグランティーノと様々な品種を栽培しており、つくるワインも多様です。設備は最新式のものをそろえており、急速に温度を変化させることのできるステンレスタンクや、セラー内の湿度を保つシステムなど。より良いワインをつくるための研究は余念がありません。
La Randa Bianco Cesarini Sartori