《シャンパンとは全く違う方向性の美味しさ》
スパークリングワインといえばシャンパンが絶対的な王者。それは間違いありませんが、家飲み価格においては「シャンパンみたいなワイン」が上質とは限りません。このワインの品種はソーヴィニヨン・ブラン。そして製法は高級品に必ず用いられる伝統的製法ではなく、炭酸ガス注入方式。その組み合わせがこの風味の心地よさを生んでいます。
ソーヴィニヨン・ブランはカベルネ・ソーヴィニヨンなどと同様、ピーマンのような青いピラジン香を持ちやすい品種です。熟度が低いとより強く感じますが、完熟しているものは穏やかで心地よい。伝統的製法と違って炭酸ガス注入方式は、スパークリングワインにする過程でアルコール度数を上げません。だから白ワインとしての爽やかさ・軽やかさを保ったまま、炭酸の刺激を獲得できるのです。
品種と製法がかみ合った最適解といえるでしょう。
《生産者について》
インヴィーヴォは2007年設立とまだ若いワイナリー。名前はラテン語で「In Life」を意味します。
その土地に根差したワイナリーではなく、ニュージ?ランド中の銘醸地のブドウをつかったワインづくり。マールボロとセントラルオタゴのブドウを中心に、各地のキュヴェがあります。
2016年からはブドウ栽培家のロメオ・ブラガートが中心となり運営をはじめました。
その味筋は「期待通りの味わいをお手頃に」。凝縮感が高かったり香りのボリュームがすごかったりという際立った特徴はありません。その土地・その品種として基本に忠実で派手すぎない味わいと安定性が持ち味です。
《テイスティングノート》
ライムやシトラスを思わせる爽やかなフルーツの香り。この品種らしい青草のような香りは控えめです。クリーンな果実味は活き活きフレッシュな高い酸味に支えられていますが、12g/Lという多めの残糖によって酸っぱさは目立たず、素晴らしいバランス感です。
Invivo Marlborough Sparkling Sauvignon Blanc