1917年に設立されたミロナスワイナリーがあるのはギリシャの首都アテネの南40kmほどのケラテア。現在の当主は3代目のスタティマス・ミロナス氏です。ギリシャのイオアニナ大学で化学を専攻し、その後WSETのディプロマを取得。「科学的な根拠は当然のこと、自分自身のテイスティング能力でワインを見極めたい」と信念を語る彼のワインは、品種の個性を大切にした味わいに仕上げることで伝統への尊重が表現されています。所有する畑はアッティカ半島に複数あり、合計12ha。ギリシャ国内ではワイン造りで最も古くからの歴史があるこの地域は、夏でも涼しい乾燥した海風が吹くのが特徴です。20世紀半ばまでは鉄鉱石の採掘がさかんだった地域で、畑はライムストーンとシストの土壌となっています。白ワインは生産量の半分がステンレスタンクを使用した発酵でしっかり温度管理されています。引き続きの一次発酵に使用する樽は、側板にオーク、鏡の部分にアカシアを使用した樽。このこだわりは、樽の香りを調整するために重要なポイントとなっています。
適度な酸味とフルーティーで濃厚な味わいを楽しめる辛口ワイン
マラグジアはフレッシュで力強さのある独特な香りが特徴で、熟した桃・アプリコットに似た芳香とハーブのニュアンスがある葡萄品種です。熟した葡萄のみを選別して手摘みし、収穫後はすぐにワイナリーに運ばれて低温で管理されます。17℃に温度管理したステンレス製のタンクで発酵後、ワインは3ヶ月間頻繁にバトナージュしながら澱とともに熟成されます。桃やマンゴー、そして微かにハーブのニュアンスを感じます。濃厚な味と適度な酸味に、フルーティーさをそなえた辛口ワイン。
Mylonas Winery Malagousia