ワインの選び方

「私の好きなワインはこれ!」インポーターズセレクション

2020年5月30日

ワインを自分で選べる人でも、たまに誰かのおすすめを飲んでみると新しい発見がある。
このブログで多くのワインをおすすめしている私も、それは同じです。
 
 
なので企画しました。
インポーターズ セレクション。「私はこのワインが好き!」
 
葡萄畑ココスと取引のある輸入元のなかから8社、その営業様8人。
自社の知り尽くしたワインの中から、お気に入りを1本ずつピックアップしていただきました。
 
 

そのワインに一番詳しい人はだれ?

 
そのワインについて最も熟知しているのは、まずは生産者・醸造家でしょう。
ブドウとして実る前から世話をしており、醸造工程すべてを把握している。
例えるなら胎児のころから愛情をそそいで育て、独り立ちするまで見守る母親のごとく。
 
しかし生産者は、自分のワインが消費国にてどのように飲まれ、どんな反応を得ているのか、詳しくはしりません。
もちろんプロモーションで来日する生産者も多いので、一般の消費者とイベントなどで直接会うこともあるでしょう。
ただそれは「そのワインが好きな消費者と会っている」にすぎない。
 
ワインは嗜好品で必ず好き嫌いがあります。
ときに「美味しくない」という反応をキャッチできるのは、その場でワインを提供するソムリエという職業の方だけでしょう。
小売りをしていて「こないだオススメしてくれたワイン、イマイチだったわ」と言って来てくれるほどの関係を築けるお客様は、多くありません。普通はもう来てくれませんから。
 
そのワインをどんな嗜好の人が好まないか
それは実はなかなか得られない情報です。
 
 
お客様の反応も間接的に知りつつ、生産者側の情報も得やすい立場の人
それがワインのインポーターの営業様です。
 
レストランや小売店に新たなワインを紹介する過程で、以前販売したワインの反応を聞く機会があります。
また生産者を訪問しての研修の機会も多くあります。
生産者と消費者の橋渡し。その中間に位置するのが輸入元の営業様です。
 
自社以外のワインに触れる機会が少なくなるため、あまり広い知識とはいえないかもしれません。
その代わりに販売しているワインの知識は誰にも負けない
 
もちろんセールスマン、セールスレディも一人の飲み手なので、好みがあります。
知り尽くした自社のワインの中で「私はこれが好き!」という1本を教えてもらいました。
 
今回は2000円台の赤ワイン
8人の営業様が、そのおすすめを紹介します。
 
もしこの企画が好評なら、白ワインや他の価格帯へと広がっていく予定です。
 
 
 

ジェロボーム 正道様

 
ジェロボーム様はヨーロッパ、アメリカ、オセアニアなどの国々から、家族経営のワイナリーがつくる高品質なワインをご紹介しているインポーターです。
 

シュっとしたクールなカベルネ・ソーヴィニヨン

 

オーストラリア南西部にある銘醸地マーガレット・リヴァーのカベルネ・ソーヴィニヨン。ジューシーな黒系果実に上品なオーク、林床、セージやユーカリなどのハーブの清涼感も。厚ぼったくならなず綺麗な酸で飲み疲れしません。この価格帯でこの完成度は素晴らしい!初心者から上級者まで一度は飲んでもらいたい1本です。

 
フィリウスCS愛の溢れる彼女は、まだ語り足りないようです。
 
オーストラリアの一般的な赤ワインと言えばどんなタイプを想像するでしょうか。ステレオタイプとしては甘くて濃いリーズナブルなワインを思い浮かべる方も多いと思います。しかしこのヴァスフェリックス フィリウス・カベルネ・ソーヴィニョンを飲むとそのイメージは少し変わるかもしれません。「オーストラリアワイン」と一言ではまとめたくなくなる、多種多様の個性があるとに気付くはずです。
 
ヴァス・フェリックスはオーストラリアの知る人ぞ知る銘醸地 西オーストラリア州マーガレット・リヴァーにあり、この地で最初に設立したパイオニア的ワイナリーです。
特にカベルネ・ソーヴィニヨンの評価が高く、北・南・西の3方向を海に囲まれた温暖な気候でオーストラリアのボルドーと呼ばれることも。オーストラリアの赤と言えばシラーズですが、ここマーガレット・リヴァーではカベルネ・ソーヴィニヨンなのです。
 
フィリウス・カベルネ・ソーヴィニヨン
フィリウスとはラテン語で「子供」を意味し、ヴァス・フェリックスを一番のお手頃価格で味わえるエントリーライン。2017年はカベルネ・ソーヴィニヨン85%にマルベック11%とプティヴェルド4%がブレンドされます。(ヴィンテージによって比率は変わります)
ボルドーだとメルローやカベルネ・フランがブレンドされることが多いですが、ここマーガレット・リヴァーはボルドーよりは少し温暖になるため、それより晩熟品種のマルベックやプティ・ヴェルドがブレンドされます。(ボルドーでもこの2品種が補助品種として使われることもあります)そうすることでタンニンと骨格を与えて、深みを加えつつ引き締まった印象を保っています。
 
味わいはプラムやブラックチェリー、ブルーベリーの熟した果実。樽熟成からくるヴァニラやチョコレート。林床、セージやローリエ、ユーカリを思わせる清涼感のあるハーブも特徴的です。かすかに感じるアーシーさ(土っぽい感じ)とキノコ感はこれから熟成させるとより強くなっていくでしょう。沢山の種類のフレーバーがあり複雑です。タンニンは程よくしっかりしてギシギシしておらず滑らか。暑すぎるとジャミーで甘濃くなってしまいがちなカベルネですが、海からの寒流の恩恵を受け酸は保たれ厚ぼったくありません。ミディアムよりのフルボディといったところで、そこまで重たくなく綺麗系で飲み疲れしないタイプです。
 
オーストラリアの中では一番ボルドーに近いと表現されますが、マーガレット・リヴァー独特のテロワールの中で個性を磨いた、「ボルドーに似た」というよりは「唯一無二のマーガレット・リヴァー」と呼びたくなる味わいです。
1000円以下の安価なオーストラリアワインに比べるとこの価格は少しだけ高く感じるかもしれませんが、このクオリティと完成度の高さを考えるとむしろこ安いのではないかと思うほどです。
普段オーストラリアワインをあまり飲まないという方も、ワイン初心者から上級者まで、全ての人に一度は飲んでもらいたいおすすめワインです。
 
 
トップバッターからアツい思いを語ってくれました。
「まだまだいくらでも語れます!」とのことですが、次に行きましょう。
 
 

ワインインスタイル 福田様

 
ワインインスタイル様はカリフォルニアワインを中心に、チリやアルゼンチンのものも扱うインポーターで、リーズナブルなものから超プレミアムワインまで幅広くそろえています。
 
 

米国の関税引下げで あの「コッポラ」が大幅値下げ!

 
 

テレビ東京系列の「ワールドビジネスサテライト」に先日出演した福田によるおすすめが、この赤ワイン。カリフォルニアらしいブドウ品種と味わいに定評のあるジンファンデルをチョイスしました。 関税撤廃で大幅に値下がりしたコッポラワインの中でも、とりわけ太陽の光を感じるような果実味と深みを是非お試しください。

 
アメリカから日本に輸入されるワインには、金額の15%ないし1Lあたり125円の関税がかかっていました。
それが2019年に日米貿易協定が結ばれたことにより、今後5年間をかけて段階的に撤廃されることになりました。
 
それを受けていち早く価格改定にふみきったのが、ワインインスタイル様。
当店で人気のベンドペッパーウッドグローヴもその恩恵を受けて値下がりしております。
 
 
その際に値下がりして求めやすくなったワインのひとつが、このコッポラシリーズ。
当店では『ソフィア』シリーズのみを扱っておりましたが、新しく『ダイヤモンド コレクション』からジンファンデルが入荷しました。
 
コッポラといえばそう、映画監督として有名な、フランシス・フォード・コッポラ氏。
代表作は『ゴッドファーザー』で、ワイナリーには映画セットの展示もあるんだとか。
個人的に行ってみたいワイナリーベスト5に入っています。
 
Google Mapからワイナリーの様子を見れます!
 
 
 
 

アズマコーポレーション 平岡様

 
アズマコーポレーション様はヨーロッパワインのインポーター。マイナー品種や珍しい国、だけど手ごろで美味いワインを見つけてくるのが特徴です。
 

親日家の生産者の運命を変えたワイン

 

日本語も堪能なドメーヌ・バサック9代目ルイ氏が、初めて造ったワイン。彼の父は、今や国際的なワイン展示会となったミレジムビオの創始者の一人。そんな偉大な父の後を継いだ若き9代目はワイン造りに悩み、辞めることも考えていた。その時、最愛の人が支えてくれて今がある。その感謝を込めてつくられたワインです。

 
ドメーヌ・バサックは南フランス、ラングドック地域の小さな村ビュイサリコンにあります。
ルイ氏は醸造家としては若手の1988年生まれですが、若手ならではの豊かな発想で、南仏の豊かな自然をピュアに表現したワイン造りを得意としています。
特技のデザイン力を活かし、商品開発(ラベルデザイン・商品コンセプト)も行ったトランキルシリーズも注目のワインです。
 
 
男前な写真からはクールな雰囲気を伺えますが、ワインの名前の意味は「I love you」。
直接的で情熱的なワイン名にも関わらずエチケットは思いのほかシンプルです。
思いは内に秘めて、ということでしょうか。
 
そう考えると、和服を着た彼の写真も、あまり違和感なくなってくるから不思議です。
 
 
 

稲葉 星野様

 
稲葉様が扱うワインはフランス、イタリア、スペイン、ドイツなどの主要国。値ごろ感があり一口目から分かりやすい味わいのものが得意です。
 

プロ達を唸らせたその味わいは、まさに“プチ バローロ”

 
 

贅沢にもバローロの区画の“ネッビオーロ”を使い、日本限定でリリースされている特別なワインで、そのコストパフォーマンスはプロ達をも唸らせました。 複雑でエレガントな香りに、しっかりとした骨格が絶妙なバランスです。 スペシャルなハウスワインとして、特別な時間をさらに上質に感じさせるワインです。

 
「多くの人が、手頃な価格でネッビオーロの魅力を楽しむことができたら」その思いが込められたワイン。
ロベルトには、「日常、気軽に楽しめるような価格のバローロがあったらいいのに」という声が寄せられていました。
しかし、ロベルトはただ単に価格を下げた、安価なバローロは造りたくないと考えていました。
バローロとはイタリア、ピエモンテ州(冬季五輪のあったトリノを擁する北部の州です)の特産ワイン。
ネッビオーロというエレガントでタンニンの強いブドウを用いて作ります。
バローロはイタリアの中のブルゴーニュで、小規模生産者も多く、価格は高め。4000円~が相場で、有名生産者のものはすぐ1万円を超えます。
つまり、日常飲むにはバローロは確かに高価。
そこで、バローロに負けない品質で、スペシャルなハウスワインとして楽しめたらいいなという発想から誕生したワインです。
畑は、バローロ村とノヴェッロ村の境界線上に位置しています。
畑は南、南東向きの丘に位置し、収穫は9月末もしくは10月の初旬に行います。
収穫した葡萄は、発酵前に低温マセラシオンを行った後、約10日間、29度以下に温度コントロールしながら発酵を行います。
熟成期間は24ヶ月、全体の50%は7000Lのスラヴォニアンオークで、残りの50%は250Lのアメリカンオークで熟成させます。
その後、ステンレスタンクで6ヶ月熟成させます。
しっかりとした骨格、口当たりは濃厚でありながら、やわらかさも感じられ、スムーズで非常に調和がとれています。
 
 

モトックス 馬谷様

 
大手ビールメーカーを除くインポーターとしては国内最大手。扱うワインも世界中多岐に渡ります。営業様は自社のワインを把握するだけでも大変でしょう。
 

白ワイン好きな私、赤のお気に入りはコレ!

 

北イタリアで造られるメルロー。普段白が多く、赤ワインを自分で買うことが少ないですが、 これは味の深み、余韻、華やかさ、とてもバランスが取れています。 新樽100%で飲みごたえはあり、けど、くどすぎないところが大好きです。 Just Meは我が道を貫き通す俺だけの世界!というコンセプトとラベルもお気に入り。

 
フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州はイタリアの最東端。
スロベニアやオーストリアに国境を接しています。
 
また、州の少なくない部分を山岳地帯が占めており、さまざまな気候・ワインを見つけることができます。
 
地ブドウであるリボッラ・ジャッラやフリウラーノを用いた、ドライでエレガントな白ワイン。
白ブドウを赤ワインのように醸造したオレンジワイン(近々詳しくご紹介予定です)
我が道を行くかと思えば、シャルドネやメルローみたいな国際品種を用いた、最新技術のワールドクラスのワイン。
 
このジャスト・ミーはまさにそのような国際品種を用いたワイン
世代交代した意欲的な当主が、世界標準をワイナリーに取り入れる過程で生まれたワインと言えるでしょう。
 
 

アイコニックワイン 谷口様

 
カリフォルニアを中心として一部オーストラリアのワインも扱っています。葡萄畑ココスにおいて、売り上げ急上昇中です。
 

!!!濃厚イタリア~の ナパヴァレ~の!!!

 
 

ナパヴァレーでも大規模なオペレーションを誇るカモミワイナリー。実はオーナー、ワインメーカーは、イタリア・ヴェネトから移住したイタリア人3人組。イタリアの血色濃く、ナパ果実を凝縮したレッドブレンドは故郷の銘酒アマローネの雰囲気も漂う超お買い得ナパワイン!!!

 
カモミ・ワイナリーは当店でも大人気。
濃厚ワイン特集」などでも取り上げた、ロッソ・ディ・カモミ
この価格で驚くべき果実味の豊かさ。
 
実は今回ご紹介している「ロッソ・ディ・ナパ」が発売された際に、商品の差別化という目的で価格改定され安くなったのです。
2019年の夏ごろは2~3日に1本程度の売れ行きでしたが、「これは絶対にもっと売れる」と思っていたら、案の定でしたね。
 
その兄貴分にあたる「ロッソ・ディ・ナパ」。
「土地が高すぎて畑買えない」と言われるナパ・ヴァレー産のブドウのみを贅沢に用いたレッドブレンドです。
 
ナパ・ヴァレーに降り注ぐ燦燦とした太陽と、その太陽のように明るく朗らかなイタリア人気質が現れたようなワインです。
 
 
 

中川ワイン 下島様

 
カリフォルニアを中心に、一部オレゴンのワインも取り扱い。高級カリフォルニアワインの取り扱いでは日本一でしょう。
 

ロバートパーカーも敬意を評する「毎日飲める信頼の味」

 

ジンファンデルの里・ドライクリークに1927年ペドロンチェリ氏が設立。 購入時に偶然植わっていた葡萄の木を「マザークローン=母なるクローン(樹)」と名付けリリース。 果実味、凝縮感共に豊かなドライ・ジンファンデル。 老舗ワイナリーにR・パーカー氏「価格を抑える哲学を持ちつつしっかりとした品質を保つ」と評価

 
初代ペドロンチェリの購入した畑に植わっていたジンファンデルは、なんと1904年植樹の古木。
しかも今でもこの老樹が実をつけてワインを生み出すだというのだから驚愕です。
 
アメリカ禁酒法時代後も生き延び、90年以上続く老舗ワイナリーとして現在4世代続くワイナリー。
その間、ワインの販売ができなかった時代も植え替えされずにブドウ樹が残ったというのは、家族経営だからでしょう。
 
高い樹齢の樹から作られるワインは、濃いとも香り高いとも違うんですが、なんとも言葉に表せない深みがあるんです。
 
ロバート・パーカー氏も
「より一層消費者に愛されるワイナリー。彼らは価格をできるかぎり抑えるという
非常に謙虚でつつましい哲学を持ち、しっかりとした品質に裏付けられた確かな味わいを
手ごろな価格で提供しつづけている。消費者は決して忘れるべきではない」
と評価しています。
 
 
 

マスダ 小川様

 
南アフリカワイン専門のインポーターとして日本一。温暖な南アフリカの中で、きちんと酸を残したつくりのものをしっかり見つけてくる腕はさすがです。
 

金持ちだからできる飲み頃リリース!

 
 

8年熟成は決して売れ残りではありません!グレネリーは南アフリカ、ステレンボッシュの生産者。かつて所有したボルドーの2級シャトー、ピション・ラランドを売却し、ほれ込んだこの地に移り住んだオーナー。惜しみなく資本を投入した醸造所を構え、飲み頃を待って出荷できるのは、その資金力のあらわれです!

 
南アフリカ、西ケープ州の第2の街にしてワイン生産の中心地、ステレンボッシュに居を構えるグレネリー・エステート。
 
グレネリーは、ボルドーのメドック2級シャトーであるシャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド(通称ピション・ラランド)の元オーナーであるメイ夫人が、この地にほれ込んで拓いたワイナリー。
1本2万円以上するワインを年間10万本以上作っているのですから、当然超お金持ちです
 
グレネリーを開いたあとで、ピション・ラランドの所有権をルイ・ロデレール社に売り払っています。
当然超超お金持ちです
 
グレネリーの記事でご紹介した、最新式の美しいセラーも、ひょっとしたらキャッシュじゃないでしょうか。
 
無借金経営なら、無理にワインを高く売る必要がありません
無理にワインを現金化する必要もありません
 
うちのワインは最低〇年熟成してから飲んでほしい」と思ったら、それだけ熟成してから出荷ということができるのです。
実際、現在南アフリカでもリリースされているのは2013年。
日本はヴィンテージの切り替え前で2012年です。
 
安くて美味しい理由は、生産者がお金持ちだからです。
 
 
 
ワインの感じ方は、その立場によって変わります。
 
我々小売業の者は、消費者の立場に立とうと心がけていますので、割とワインを味と値段を中心にとらえがちです。
それに対してインポーターの営業様は、生産者サイドが近いでしょう。
ワインづくりにおける生産者の工夫や思いをより深く知っているからです。
 
安くて美味しい、それだけじゃなく魂のこもったワイン
それがお客様、あなたの好みと合致するなら、あなたにとって唯一無二のワインとなることでしょう。
 
 

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