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《プレゼントにも》結婚祝い&結婚記念日におすすめワイン《ソムリエが選ぶ7選》

2022年10月20日

《プレゼントにも》結婚祝い&結婚記念日におすすめワイン《ソムリエが選ぶ7選》

 
友人の結婚祝いにワインを贈りたい。結婚記念日を祝って2人で飲みたい。
そんなときのワインは、コスパや味わいだけじゃ物足りない。ロマンを求めるものじゃないでしょうか。
美味しいのは当たり前。エチケットや背景にあるストーリーが結婚や恋愛に関連するワインを選びました
心を込めた贈り物として、こんなロマンチックなワインを選んでみてはいかがでしょうか。
 
 
 

ワイン専門店ならばワイン選びで勝負

 
結婚祝いのプレゼントとして人気ランキングを見ていると、名入れのワインギフトをよく目にします。
結婚のお祝いなら、お二人の名前の入ったボトルをプレゼントするのです。
 
当店ではそういった名入れには対応していませんし、今後もする予定がありません。
ワイン専門店ならではの理由があります。
 
 

名入れワインは飲まれにくい?

 
もしあなたが、自分と配偶者の名前が入ったワインボトルをいただいたとします。
もちろん、とっても嬉しく感じると思います。
すぐに飲みますか?飲めますか?
おうちの目立つところに飾っておくんじゃないでしょうか
 
 
ワインは温度にデリケートな飲み物です。
「そろそろこれを開けてみようか」となるのは1年後でしょうか。3年後でしょうか。
日本の暑い夏にさらされて、そのワインを飲むころには熱劣化して美味しくなくなっている可能性も十分にあります
 
 

名入れワインはそもそも美味しくない?

 
ガラス瓶への名入れは、専用の機械によるレーザー刻印でしょうか。
方法いかんによらず、ワインの正面にエチケットを貼っていない、専用のボトルが必要です。中身はほかのワインと同じだとしても、ラベルは特別対応してもらわないといけないのです。
 
だから「このワインに名入れしてください!」というわけにはいきません。たいていはワインの種類はほぼ1種類。楽天で探してみると名入れの手数料込みで5000円くらいのことが多いです。
名入れの料金をいくらと設定しているかはショップによりマチマチですが、価格競争がないのに安売りする理由はありません。
結果として5000円の名入れギフトの中身のワインは、驚くほど安物のことがほとんど。特別なワインとしての期待を背負って応えられはしないのも頷けます。
 
 
飲まずに置いておかれるなら問題ない
そういう考え方もありです。だから名入れワインを否定するつもりはありません。世界に1本だけのボトルなのですから。
ただ、中身を気にしないのならワイン専門店の領域じゃない。ギフト屋さんに任せればいい。そう考えます。
 
少なくとも、結婚記念日に自分で買って妻や夫と飲みたいワインではありません。
 
 

結婚祝い・結婚記念日ワインの選び方

 
ギフトの目的は贈った相手に喜んでもらうことです。ワインを贈るなら、結婚する二人が美味しいと喜ぶこと。記念日に用意することで配偶者を笑顔にすることです。
そのワイン選びの基本は、相手の好きなものを用意する。もしも可能ならば、それが大前提です。
 
 
ただし、人のワインの好みはそうそうわからないもの。友人だったとしてもです。
あるいは好みがわかっているが故に、過去に何度もそのタイプを贈っているという場合も、記念日祝いの場合には有り得るでしょう。
それに結婚やその記念日祝いとなると、それに応じたロマンチックなワインを選びたくなるものです。
 
 
結婚祝いの予算は、ボトル本体に5000円出せば格好がつかないということはないでしょう。
贈るあなたも相手の方も若い場合や、それほど親密な間柄でない方への贈り物なら、気を使わせないようにこれくらいがいいんじゃないでしょうか。
ただ、お互いに相応の収入があって付き合いも多い方へなら、1万円ないし2万円はがんばりたいところです
別に1本に限る必要はありません。赤と白のセット、スパークリングなら白とロゼのセットもいいでしょう。
 
結婚記念日のワインの予算はそれこそ人それぞれでしょう。普段どんなワインを飲んでおられるかによります。
普段飲みよりは上等な特別感のある価格で無理のない範囲。価格よりもそのワインを選んだ理由が大事かもしれません。
 
 

結婚祝いに贈るおすすめワイン

 
結婚のお祝いにワインを贈るなら、そのクラスの贈り物は初めてという場合が多いでしょう。なので重複を気にする必要はないはず。
せっかく用途に沿って選んだワイン。その意図が伝わらなかったらもったいない
だから、ギフトボックスを開けたら「ステキな結婚祝い!」となるようなものがいい。エチケットのデザインからそうとわかるものがベターです。
 
 

『結婚』がテーマの博物館を持つワイナリー

 
アンリ・ド・ヴォージャンシーは、おそらくシャンパーニュ唯一の「テーマパーク」ならぬ「テーマワイナリー」。
19世紀当時の結婚をテーマとした博物館が併設されていて、記念宝石、家具、調度品、衣装、風習や儀式にまつわる資料が多数展示されています。
その影響で現地でも結婚式の引き出物やお土産に使われることも多いのだとか。
 
 
スタンダードクラスにあたる「キュヴェ・デ・ザムルー」の意味は「恋をしている人のワイン」。
花がハートを象り、2羽の小鳥が親しそうにしているエチケット。一目で結婚祝いにピッタリのシャンパンであることが伝わるでしょう。
 
 

ハートラベルならこんなワインも

 
エチケットから結婚祝いであることがストレートに伝わるシャンパンなら、ジャニソン・バラドンも昔から人気です。
先ほどのアンリ・ド・ヴォージャンシーよりも、一段階シャンパン好きに受けるハリと深みのある味わい。単純な味だけなら、私はこちらを高く評価します。
 
 
ただ、実はこのハートは、恋人への愛情じゃないんですよね。「家族愛」なんです。
ワインの名前の「ヴァンドヴィル」は、当主シリル・ジャニソンのおばあさん。「家族への愛がなにより大切」という意図を込めたシャンパンなのです。
 
とはいえ別にそこは誤解してもらっても構いませんよね。
筆者も過去に友人に贈ったことがあります。
 
 

ハートラベルの赤ワインといえば・・・

※すべてスポット商品です。完売の際はご了承ください。
 
ある程度ワイン通の方に「ハートマークのワインと言えば?」と聞けば、最も多く挙がるのがこの「シャトー・カロン・セギュール」でしょう。
ハートのマーク抜きにも、ボルドーにてトップクラスの有名生産者です。知名度抜群。
当店は古いヴィンテージのものしか仕入れませんので、価格は割高です。もっと若いものならもう少し予算を抑えられるでしょうが、今開けて飲むのはちょっともったいないかもしれません。
 
 
生産量が何十万本とあるため、いろいろなヴィンテージが流通しています。2人の記念の年があるなら、その年のカロン・セギュールを贈るのもいいかもしれませんね。
 
 

結婚記念日に一緒に飲むおすすめワイン

 
結婚記念日はその後何度もあるものです。そういう点では、結婚祝いほどの予算はかけられないかもしれない。
そのかわり、そのワインを選んだ理由を説明はしやすい。
 
まずは乾杯する。
「おいしい!どうしてこのワインを選んだの?」そう質問してくるの待つ。
「それはね・・・」とそのエピソードを語る。
 
 
こうやって紹介できるなら、毎年違ったいろいろなワインを二人で楽しむことができるでしょう。
 
 

旦那さんが奥さんのために用意するシャンパンならこれ!

 
「ラ・ミス・ブラン・ド・ブラン」は最初にご紹介したシャンパンと同じ「アンリ・ド・ヴォージャンシー」の作品の一つ。
ただしこちらは、結婚祝いというより結婚記念日に贈るワインがベターかも。当主が奥様のために作ったシャンパンだからです。
 
 
シャルドネ100%ながら酸味が尖りすぎず、2人で飲んで気持ちよく飲み干せる優しい味わいです。
食事に合わないことは決してありませんが、食前酒や食後酒として単体で楽しんだ方が、5000円クラスのシャンパンとの違いをしっかり感じられるはずです。
 
 

二人の運命的な出会いで生まれたワイン

 
夫婦で営むワイナリーは少なくありませんが、この二人の出会いは運命的でした。
アキコさんがニューヨークに語学留学中のこと。ある日の嵐で外出を取りやめたケン・フリーマン氏は、代わりに出席したパーティーでアキコさんと出会い恋に落ちたといいます。
家族の猛反対を押し切って結婚した二人。「いつかカリフォルニアで、飲み手を惹き込むようなワインが作りたいね」とはじめたのが「フリーマン」です。
 
 
彼らがワイナリーの自社畑を拓いたあとくらいから、新規に森を切り開いて畑をつくることがかなり難しくなりました。
なので甥っ子の名をとって「ユーキ・エステート」のように名付けることは、今後はあまりできません。二人には子供がいないので、甥っ子ユーキくんを跡取りに育成中だそうです。
ユーキ・エステートは子育て中の夫婦の記念日におすすめです。
 
そのほかスタンダードで手ごろな「ソノマ・コースト」や、唯一のシャルドネ「涼風」など、様々なワインの中から選べます。
 
 

一緒に歩みだす二人を象徴して

 
カモのマークでおなじみのカリフォルニアワイン「ダックホーン」グループ。
「パラダックス」シリーズに描かれる飛び立つ2羽の鴨は、これからともに歩みだす二人を象徴するかのようです。
 
それを「エチケットから察して!」というのはさすがに望み薄い。だからこのワインをチョイスするとしたら、一緒に飲むシチュエーションでしょう。まだ数回目の結婚記念日や、あるいはもうすぐ結婚というタイミングでもいいかもしれません。
5000円ほどの「パラダックス プロプライエタリー レッド ワイン」と、1万円ほどの「パラダックス エックス スクエアード ナパ ヴァレー レッド ワイン」。そりゃ高い方が美味しいですが、安い方でも十分満足度の高い濃厚赤ワインです。ご自身の懐具合に合わせて選んで問題ありません。
 
 

二人の結婚で誕生したワイン

 
ロマンチックな夜に一番映えるワインといえば、ロゼのスパークリングワイン、とりわけロゼのシャンパン以上のものはありません。
この「セロス・パジョン」という生産者は、ジェローム・セロスとコリーヌ・パジョンの結婚によって誕生しました。
赤いフルーツの香りとピノ・ノワール100%の旨味に酔いしれる記念日としてはいかがでしょうか。
 
 
このワインのように、「○○と▲▲が結婚してできたドメーヌ」みたいなワイナリーはたくさんあります。
結婚記念日のワインネタに困ったら、その方向性で探せばいくらでも出てくるでしょう。
 
 

ワインギフトは気持ちを伝えるもの

 
ワインをプレゼントする際に一番大事なことって、相手の幸せを願う気持ちだと思うんです。
 
逆の立場になって考えてください。プレゼントをもらったら、よほどのものじゃない限りうれしいですよね。
ではその中でも感動するものってどんなものか。高価なものはもちろんうれしいけど、お返しに気を使います。
自分のことを思って選んでくれたことが伝わるもの。気持ちが伝わるものがやっぱりうれしい
 
 
ワインのプレゼントはめんどくさいです。膨大な種類の中から、1本2本を選ばないといけない。
だってお酒を贈るならビールの詰め合わせだっていいんです。
 
モエ・エ・シャンドンのような定番のシャンパンを「これでいいや」と贈るなら簡単。でもそうでないからこそ、伝わる想いってあるんじゃないでしょうか。
贈る相手があなたにとって大切な人なら。お金でなく頭と時間をワイン選びに費やす価値はきっとあるでしょう。





※投稿に記載しているワインのヴィンテージ・価格は執筆時のものです。現在販売しているものと異なる場合があります。
購入の際は必ず商品ページにてご確認ください。




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