ワインのつくり方

【初心者歓迎】赤ワインと白ワインは何が違う?ソムリエが基礎から解説します!

2019年4月19日

【初心者歓迎】赤ワインと白ワインは何が違う?ソムリエが基礎から解説します!
 
まずはこちらの2本をご覧ください。
 
ラダチーニ カベルネ・ソーヴィニヨン 
赤ワイン
ブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニヨン
ラダチーニ ブラン ド カベルネ
白ワイン
ブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニヨン
 
あれ?赤ワインと白ワインなのに、ブドウ品種が同じって間違ってない?
実は間違ってないんです。
 
この同じブドウをつかった2本のワインをご紹介するにあたり、そもそも赤ワインと白ワインは何が違うのか、ワインの基本的な作り方からご紹介します。
 
 

違いその1 ブドウの色が違う

 
まず1番大きな違いは、ブドウの皮の色が違うということ。
赤ワインは黒ブドウからつくられます。一方で白ワインは白ブドウからつくられます。
 
 
「赤ブドウ」ではなくて、「黒ブドウ」?
ブドウの色といって思い浮かべるのは、普段口にする食用ブドウで、もしかすると「黒」より「紫」かもしれません。
 
 
巨峰やピオーネなどといったスーパーに並んでいる生食用のブドウは、それほど濃い色のものはありません。
実はこれらのほとんどは、「アメリカ系ブドウ」と呼ばれる種。ワイン用に使われる「ヨーロッパ系ブドウ」とは種が異なるのです。
 
 

ワイン用のブドウの特徴は?

 
ワイン用のブドウは総じて粒が小さく、黒ブドウは本当に「黒」と表現できるほど色が濃いのが特徴です。
 
 
食用ブドウは粒が大きい方が食べやすくてうれしいですが、ワイン用のブドウは小粒な方が概ねいいワインになります。
どちらかというとブドウというよりフレッシュなブルーベリーを思い浮かべたほうがいいかもしれません。
 
 
一方でワイン用の白ブドウもあります。
 
まずはブドウの色が違うから、その果皮の色を反映したワインの色も異なるのです。
 
 
あれ?ラダチーニの2種類のワイン、カベルネ・ソーヴィニヨンって黒ブドウだよね?どうして?
 
それはもう一つの相違点ゆえです。
 
 

違いその2 醸造方法が違う 厳密にはプレスのタイミングが違う

 
赤ワインと白ワインでは作り方が少し違うのです。
 
ワインの醸造方法を簡単にご紹介します。
まずは赤ワインの醸造工程から。次の画像をご覧ください。
 
 
次に白ワインの醸造方法をご紹介します。
発酵と圧搾(プレス)の工程の順番に着目してください。
 
 
赤ワインと白ワインでは、発酵と圧搾の順番が逆です。
赤ワインは果皮と一緒に発酵させてから、圧搾して果皮を果汁(ワイン)から分離します。
一方で白ワインは果実を絞ったジュースの状態、果皮とは分けてしまってから発酵させます。
これがワインの色に違いをもたらします。
 
 

赤ワインの赤色のもとは?

 
『ポリフェノール』という言葉を聞いたことがありますでしょうか?
テレビとかで取り上げられていたことがあり、「なんとなく体に良さそう」なイメージを持っておられる方も多いでしょう。
 
ポリフェノールは「たくさんのフェノール」という意味で、植物に含まれるような化学成分の総称です。
総称ですので、ポリフェノールの中に5000種類以上の成分が分類されます。ポリフェノールにもいろいろあるのです。
 
その中でワインにとって重要なのが、「アントシアニン」という色素に関わる化合物と、「タンニン」と呼ばれる「渋味」に関わる化合物群でしょう。
これらのポリフェノールは、ブドウの果汁ではなく果皮や種に多く含まれます。
 
 

ブドウの中身は色が違う

 
食用ブドウでご存知でしょうが、皮が紫や青黒いブドウも、果肉にはほとんど色はついていません。
 
 
赤ワインの醸造において、発酵中に皮から色素が染み出て赤くなり、皮や種からタンニンが溶け出して渋さとなります
果皮の色の違いもありますが、白ワインは発酵時は果皮・種と分けられているから、色がつかないのです。
 
 

黒ブドウを用いた白ワインもある!

 
鋭い方はもうお分かりでしょう。
冒頭でご紹介したラダチーニのブラン ド カベルネは、黒ブドウを用いながらも、皮の色を出さずに醸造した白ワインなのです。
 
収穫後すぐに圧搾するとはいえ、多少は皮のエキス分も溶け出しますので、白ワインながらしっかりコクのある味わいに仕上がります。
比べて飲めば、皮と種がワインに与える影響が味わえて、面白いです!
 
 
 
同様に、黒ブドウであるピノ・ノワールを用いた白ワイン、2種類ほど取り扱っております。
 
 
 

赤ワインと白ワイン、味の違いは?

 
先日の「芸能人格付けチェック」の中で、「赤ワインと白ワインをブラインドテイスティングで判別できるか」という出題があったそうです。
挑戦者はサングラスをつけることで、色で判別できないようにしたとのこと。
 

 

 
赤ワインと白ワインくらい、素人だってわかるでしょ~
 
意外とそうでもないんです。
 
 

タンニンを感じたら赤ワイン

 
判別のポイントとしてわかりやすいのが、タンニンの存在
先述の通り、タンニンは赤ワインの発酵時にワインに溶け込むので、白ワインには渋味が基本的にはありません。
なので赤白を判断するなら、「渋味を感じたら赤ワイン」でOKです。
 
しかし赤ワインの中には、渋味が非常に穏やかでほとんど感じられないものもあります。
白ワインの中には、ブドウの完熟度合いや醸造法で、味わいに厚みのあるものもあります。
 
だから、タンニンを感じなかったら白ワイン、とは言い切れないのです。
 
 

簡単そうで、間違えることもあるんです。

 
さらにイジワルをするなら。
最近話題の『オレンジワイン』は、一応広いくくりでは白ワインですが、渋味を感じます。
そうなってくると、もう風味で判断するしかない。
 
詳しくはこちらの記事で。
 
なのでワインの選び方次第で「騙すことができるかもしれない」。
実際、出題されたワインはやや難しめだったという噂。
なので間違えてしまった有名人の方も、まあ仕方ないんじゃないかなぁ。
 
 

実はたくさんあります。白ワインなのに原料は黒ブドウ

 
ちなみに「黒ブドウからつくった白のスティルワイン」(スパークリングワインではないもの)は、それほど多くはありません。。
しかし「黒ブドウから作った白のスパークリングワイン」ということであれば、数えきれないほど存在します。
 
シャンパンで時折見かける「ブラン ド ノワール Blanc de Noirs」というのがそれ。フランス語を直訳すれば「黒の白」つまり黒ブドウでつくった白ワインという意味。
 
 
次の記事の中ほどでご紹介しておりますので、よければご覧ください。
 





※投稿に記載しているワインのヴィンテージ・価格は執筆時のものです。現在販売しているものと異なる場合があります。
購入の際は必ず商品ページにてご確認ください。




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